再びの気仙沼旅② 偶然の出会い

次に向かった場所は「リアス・シャークミュージアム」
気仙沼はサメ漁がさかんな地域だ。そんなサメの生態やサメ漁の歴史などが学べるようになっている。
震災で被害を受けていたが、昨年の秋にリニューアルして営業再開した。

現在は、展示の半分がサメ関連。

もう半分は震災の記録と、復興への歩みがリアルタイムで発信されていくそうだ。
こっちは撮影できなかった。・・・禁止と言うわけではなくて、カメラを向ける気持ちになれなかった。

でも、気仙沼を訪れる人には行って欲しい場所だ。
伝えたいのに、矛盾してるとは思うけど。

ゆっくり見てまわってから、1Fに降りる。
ここは2Fがミュージアムと観光案内所、1Fは気仙沼の特産品がいろいろとそろうフロアだ。
鮮魚も扱ってるし、食事のできるところもあるし、お土産を買うにもいいと思う。

クール便で送りたい場合も、いくつかのお店で買ったものを最後に買ったお店でまとめて発送できるそうで、ありがたいシステムだと思う。

外に出ると、ようやく雪が上がっていた。もうすぐ16時というところだったので宿に向かう。
2年前に来たときは、気仙沼はまだ営業している宿泊施設がほとんどなく、手ごろなシングルは復旧の工事関係者で満室になっていたので、仙台に宿を取って日帰りにした。

今回はいくつかビジネスホテルが再開していたので、予約が取れた。
海沿いの魚市場の裏側を自転車で走る。更地がほとんどだけど、ぽつりぽつりと建物が点在している。
今回泊ったのは気仙沼パークホテル。
チェックインしたらまずはシャワー。さっぱりして十分暖まってからまた外出。
今度は飲むつもりなので自転車を置いて、海沿いを歩く。

これは魚市場の建物。気仙沼の町中のあちこちにこの表示がある。

いろいろな地域の船が入港していることが分かる。これは富山県の漁船。

港に停泊する白い漁船と、薄明の空。

イカ釣り漁船かな。ライトがいっぱいついている。

20分ほど歩いて、向かったのは居酒屋「ぴんぽん」。なるべく地元の人が集まりそうな場所を選んだ。

18時のオープンと同時に入ったら一番乗り。手前のカウンターの中ほどに座る。
お酒をグラスでお願いしてメニューを見る…安い!

お通しで出てきたイカの塩辛。

ご主人にどこから来たの?と聞かれる。
「東京からです」「お仕事で?」「観光です」「そうか、よく来たねー!」
サービス!といってマグロの心臓を煮たやつを出してくれた。

ちびちびと飲んでいる後ろを通って、どんどんお客さんが入っていく。
入っていくときにお店の方と「明けましておめでとう!」「久しぶり!」などと言葉を交わしていく。
それにご主人や、従業員の方も笑顔で応えている。
奥のお座敷やテーブル席が埋まっていく様子を見て、なんだかニコニコしてしまう。

まずは一度食べてみたかった、これを。

もうかの星。もうか鮫の心臓のお刺身。ごま油と酢味噌がついてきた。
レバーみたいな食感で、臭みは全くなし。辛口のお酒がよく合う。

お酒をお代わり。お代わりついでに銘柄をたずねる。

水鳥記というお酒だそうです。気仙沼で明治39年創業の角星という酒造さんが造っているそうです。

カウンター席もぽつぽつと埋まってきた。
一番入り口側の席で、おひとりで飲んでいた男性の方に、お店のご主人が「あの人、東京から一人旅で来たって」と紹介してくれた。
会釈すると、鞄から何かを取り出して渡してくれた。気仙沼のゆるキャラ、ホヤぼーやの缶バッジだ。お礼を言ってから少し話をした。

話の中で「明日はどこへ行くの?」と聞かれる。
翌日の予定はまだ決めてない。最初は気仙沼大島に渡るつもりだったのだが、急坂が多くて自転車では厳しそうなので迷っていたのだ。
正直にそういうと、じゃあ案内するよ!と言われる。

え?案内って。ありがたいけど、ここで話してまだ数十分。
40代?位の男性のそんな申し出に乗っちゃって大丈夫か・・・。

考えてたら、そりゃいきなりじゃびっくりするよねと、笑いながら名刺を渡された。
そこには「気仙沼市役所観光課」の文字が。
「仕事の一環だから。うちの娘も一緒だけど」と言ってくれたので、ありがたく案内してもらうことにした。

この時間のフェリーに乗ります、と約束して携帯番号を交換した。
それからまたいろいろと話して、観光課のUさんは帰っていった。
「最終のフェリーがあるから~」って。ご自宅は気仙沼大島だそうだ。

また、ひとりでちびちび飲んでたら、今度は反対側の隣に座った男性2人組に話しかけられる。
そして、これよかったら、と串物を1本分けてくれた。

何だろう。食べてみるとふんわりと上品な白身魚だ。
なんて魚ですか?と聞くと「メカクシ」・・・?メカジキの串だそうですw
お二人は気仙沼の出身で、一人は気仙沼を離れて働いているそうで3連休なので帰省してきたとのこと。
もう一人は潜水測量士だそうで、海中の復旧工事にも関わってるんだとか。

何もないけど、楽しんでいってねと声をかけてくれた。

〆の炭水化物代わりに、温かい揚げだし豆腐。

お酒も結局3合飲んでいい気分。
お店を出て、タクシーに乗り、ホテルまで戻る。

昼に行ったリアスシャークミュージアムの横を通るとき、運転手さんがイルミネーションが鮫の形なんですよと教えてくれた。

部屋に戻り、酔いを覚ましてからのんびりとバスタブに浸かる。
明日は気仙沼大島だ。
偶然の出会いに感謝しながら、更けてった一日目の夜だった。