3日目の朝、差し込む光で目を覚まし、時計を見て固まる。
旅先で寝坊・・・ま、昨夜だいぶ飲みすぎたからね。
何か予約していたものがあるわけでもないので、気にせず身支度をする。
チェックアウトしたら、駅前の観光案内所へ。
周遊バスがあるようなので時刻表をもらい、行きたい場所をピックアップ。
多少慌しくなるけど、周れそうだ。1日フリーパスのほうがお徳になるということで購入。
30分後にバスが来るということで、その時間を利用して駅の喫茶店で腹ごしらえ。

これで今日もバリバリ動ける。
バスに乗って最初に来たのは桂浜。


大きな竜馬の銅像は水平線の向こうの何をみているのだろう。
弓なりの浜に荒い波が打ち寄せる。
ここは月見の名所でもあるそうな。
岬の端まで行ってみる。
岩の先のほうに立つと、視界には海しか見えなくなった。

海の彼方、水平線が白く滲み、穏やかな秋晴れの空と混ざり合って、
浮かぶ船が空へと泳いでいくように見えた。
バス停のほうへ戻る途中。

あ、懐かしい。昔よく買ってもらった。

1×1アイスクリン。バナナ味でアイスとシャーベットの間みたいな食感なのです。

さっき朝ごはん食べたばかりだけど、10時のおやつ。
ちなみに秋田で食べたババヘラアイスも同じ味でした。
次に向かったのは五台山。

高知市街が一望できる。

ジオラマの街みたいにとれるフィルタで撮ってみた。
夜景もすごく綺麗でデートスポットだそうです。

五台山にある竹林寺。
四国八十八箇所の31番霊場でもあります。
旅先では、神社仏閣があればなるべく初日にお参りするのですが、
今回はまだだったのでここで。
土地の神様へのご挨拶と、道中の無事を祈願。

お遍路さんもいました。
次のバスまで少し余裕があったので、隣の牧野植物園へ。

牧野富太郎は高知出身の植物学者。

スケッチの細かさに驚く。
春に来ると花がたくさん咲いてすごく華やかだそうです。
でも、シダとか地味な植物を愛でるには、秋はいい季節かも。
秋の花もちらほらと。



曼殊沙華、好き。
バスを待ちつつ、バス停前のお茶屋さんの看板わんこに話しかけてみる。

昼下がりだし、眠たそうだった。
やってきたバスに乗り高知駅へ戻る。
電車で東へ1駅。そこから歩いて5分くらい。
観光名所ではないのですが、行ってみたかった場所へ。

見えてきた。晴れた空に映える真っ白な建物。
想像してたよりずっと大きい。
沢田マンション。という建物です。
まだ日本にマンションがほとんどなかった時代に沢田嘉納さんという方が
セルフビルドで作ってしまったマンションなのです。
建築士でもなく、設計図もなく、現行では違法建築にあたるのですが
現在も約70世帯がここで暮らしています。
建てられ存続してきた経緯と、迷路のような造りから、
建物好きや廃墟好き、もの好きな人たちが訪れるため、
住民に配慮する前提で共用部は見学が可能です。
(日中のみ、かつ大家さんへ一声かけること)
日時が合えば住民の方が案内してくれるということで、お願いしました。
案内してくださったのは、住人で写真家の岡本さん。
沢田マンションの1Fのギャラリーの運営もしています。

スロープでつながっている各階。

屋上に唐突に池があったり。

工作室・・・。工作ってレベルではないけど。

屋上にはクレーン。建物はいまも増改築が繰り返されている。
クレーンも自作だそうで、岡本さん曰く「過去に2回折れました」

植物がたくさんの屋上。

なんの装置だろう。

白い建物に寄り添うような緑が印象的。

地下には駐車場も。(地下は住民案内時のみ入れるそう)

その奥には合気道の道場。
なぜか布団が敷いてある??
「大家さんの孫がここでバク転の練習をしています(笑)」

エレベーター。ちょっと怖い。
今は人は乗せておらず、資材運搬用だそうですが。

話を聞きながら歩いていると、
建物自体が、体温を持ち、鼓動を打ち、有機的に蠢いている、そんな錯覚に陥ってくる。

車を通すため、と部屋の一部を削られたりすることもある。
とだけ聞くと、横暴にすら感じる。
火事を出してしまった住人がいたときに、大家さんはなんの賠償も要求せず、
空いていた別の部屋に移ってとだけ言った。
服や家具・生活雑貨は他の住人が、分けてあげたのだとか。
そんな、人情話もある。
そもそも現在は違法建築なわけだし、老朽化も激しい。
なんだかフリーダム!楽しそう、と入居してきて、合わずにすぐ退去する人も多いと言う。
美談や憧れでもなく、昔の村社会のような、長屋の向う三軒両隣のような。
よく言えば助け合い、悪く言えば相互監視のシステムで存続しているのか。

建物を媒介にしながら、「沢田マンション」という文化が継承されている。
私にはそう感じられた。
立派なハコがあればいいわけではない。
でもハコに求心力があって人が集まる。
集まるから文化が生まれる。
文化に賛同し、加わる人がいる。
守ろうとする人がいる。
変えていこうとする人が、いる。
小さな村、高齢化社会、限界集落。必要なコミュニティのあり方ってなんだろう。
オンラインのSNSだってハコの1種だ。ひきこもりが集う村だってある。
いろんなことを考えさせられた。

