福井旅② 紅葉の永平寺

バスを降りて、坂を上っていくと本日最初の目的地。

曹洞宗の大本山、永平寺。

ちょうど紅葉の真っ只中で、少し厳しいイメージの禅寺だけど、柔らかい雰囲気。

参道を進み、拝観料を払って建物の中へ。
10時から座禅の体験ができるとのことで、その受付も済ませてから時間まで建物内を見学する。

圧巻は絵天井の間。
一点一点、異なる日本画家の方が描かれたのだそう。
花鳥が大半だけど、すこしだけ異なるモチーフもあるのだとか。
探してみたけど2点しか見つけられず。首が痛くなってきたので終了。

ぶれてしまったけど釘隠しが豪華。

建物同士が渡り廊下でつながっているので、雨でもゆっくり見学できるのはありがたいね。

周りを樹々に囲まれているから、とても静か。

祈りの場でもあり、修行の場でもあるこの場所。

雨だからこそ、厳かな雰囲気も感じられて。

建物の中はどこも塵ひとつなく磨き上げられて、床板が飴色に光っている。

雨で散りゆく紅葉までもが美しいのは、そんな磨き上げられた環境だからかな。

一回り見学して終わるとちょうど座禅体験の時間になった。
他の体験者の方々も含め10名強で、教えていただけるお坊さんの後について部屋へ向かう。
座禅を行う部屋は修行の場なので、言葉を発することは禁止だそう。(当然写真撮影も禁止)
荷物を置き、靴下を脱ぎ素足になって進む。

ほの暗い部屋の中、仏像の前で一礼して座禅をする場所へ。
一人、半畳くらいのスペースにクッションが一つ。その前に並んで立ち、互いに礼をしてから座る。
座り方は半跏趺坐(はんかふざ)と言われる、片足をもう片足の太腿の上にのせる座り方。
それでも余裕な人は結跏趺坐(けっかふざ)といわれる、両足をそれぞれ逆足の太腿の上にのせる座り方をする。半跏趺坐も難しい場合は、正座でもよいそうだ。

この状態でまずは呼吸を整える。ゆっくり息を吸って吐いて、鼻からの腹式呼吸。
続いて身体を整える。呼吸に合わせて首を左右にゆっくり倒しては戻る。さらに胸のあたりから、最後は腰のあたりから左右に倒れて戻る。
呼吸・身体を整え、いよいよ心を整える。
体を180度回転させて壁の方を向く。目はつぶらず、斜め下を見ながらひたすら自分の呼吸に集中する。

さらに照明が落とされる。
呼吸を意識しながらもついつい違うことが頭に浮かんでしまう。
裸足の足先が冷えてきたなとか、お腹空いたなお昼どうしようとか、
考えが逸れては、「呼吸、呼吸」と意識を戻すことの繰り返し。
そうしているうちに、空気の冷たさが気にならなくなってきた。外の雨音が大きく聞こえて来て、今ここに在る自分の輪郭が曖昧になったような感覚。

その時、後ろでパーンと警策の音が響いた。
警策(きょうさく)は木の棒で肩をたたくやつのこと。永平寺の座禅体験では、眠くなってきたり、集中できていないと自身で感じたら合掌すると警策が受けられる。
経験として受けてみたいという理由で受けてもよいとのことだったので、受けてみようかなと思っていたのだけど、思ったより大きい音にひるんでしまう。
でもせっかくの機会だし受けようか・・などと迷っていたら照明が明るくなった。
もう20分経ったの・・・?

時間を思ったより短く感じたのは、いい感じに集中できたということかな。
警策は受け損ねたけど、初めての座禅はとても心地よい時間だった。

外は相変わらずの土砂降りだけど、明るい気持ちで永平寺を後にした。