2015年9月10日(木)
出航後割とすぐに消灯だったので、毛布をかぶって眠りについた。
夜半、一度目が覚める。
ゆらーりゆらりと大きく揺れていた。船員さんが時化てるって言ってたからなぁ、と思いまたすぐ眠った。
次におきたのは外が明るくなり始めた5時過ぎ。
朝日が見られるかもと期待して甲板へ。

昨日とは打って変わって穏やかな海だ。

朝日でほんのりとピンク色の雲。

そして雲の合間から朝日が昇ってきた。
船はたくさんの島と島の間をゆっくりと進んでいく。
長崎は日本一島が多い県ということを思い出した。
いったん船室に戻り、更衣室で着替え、日焼け止めを塗る。
しばらくすると船が止まった。目的地までにいくつかの島に寄りながら行くので
時々止まっては船内放送で起こされるのだ。
以前行った伊豆大島を思い出した。
2015年9月11日(金)
8時過ぎ、福江島に到着。

乗ってきたフェリー「太古」。このルート気に入ったなぁ。また来たい。
歩いてすぐのところのレンタカー屋で原付を借りる。
すごくテンションの高いレンタカー屋のおばちゃん。
「福江には初めてきたの?どこ行く予定?大瀬崎とか?そんなら、ほらこれこの道を行って・・・(地図を出してきて)、ここを曲がる。そっちのほうが近いけど道細いからこっちがええよ!あ、よかったら飲み物、そこのクーラーボックスにお茶が入ってるからもってって。
教会めぐりするならガイドブックも!」
受付が終わって、駐車場へ向かう間も、すごい勢いでしゃべり倒すw
「原付ね、私原付だけは乗れないのよ。大型のマイクロバスとかは運転得意なんだけど。
それとね船も小型なら乗れるのよ。釣りのお客さん案内したりして。でも原付だけはねー」
「女の子だから、うちの原付で一番新しいの押さえといたよ!朝ごはん食べた?
あれだったらそこの角曲がったとこにコンビニあるから!24時間だよ」
あまりの勢いにこのとき忘れ物をしてたことに気がつかなかったのだ。
原付借りて、久しぶりだったのでまずは近場をぐるぐる。おばちゃんの言っていた「コンビニ」はどうやらほっともっとのことのようだ。
ちょうど良いのでおにぎり弁当を買って、近くの公園で朝食。

昨日あれだけ食べたのだが、やっぱりおなかは減るものだ。

本日の相棒。よろしく頼むぞ。
まずは島の中心を西へ向かう。思ったよりも道は広くて走りやすい。
民家が減ってくると両側には田んぼや畑が広がる。

すごくいいお天気。

田んぼアートがあったり。

手前が小学校の校舎。可愛らしい。
地図の縮尺を見て気付いたのだが想像していたよりずっと広い島だ。なかなか西側の海岸線に着かない。
1時間半ほど走ってようやく海が見えた。
海沿いを南に向かってさらに30分ほど走る。

島の南西の端のほうまできたら急な坂道を上っていく。
細かいカーブを何度も曲がっていった先に駐車場。
そこに原付を止めてから、展望台と書かれた案内にしたがって歩くと到着。

大瀬崎灯台。
映画「悪人」のクライマックスシーンで使われたそうで、

真っ青な海に囲まれた断崖絶壁の岬に立つ、白い灯台。
すごい迫力だった。実際に灯台まで行くには山道をさらに1時間くらい歩かなくてはいけないとか。

この高さから見下ろして底の石が見える、透明度の高い海。
ここのスポットで見る夕日は絶景だそうだが、日が落ちた後にさっきの急勾配カーブのを下っていく自信はない。
大瀬崎と出て今度は北へ向かう。

途中、足湯を発見して10分くらい入る。スッキリ!

そうして着いたのが高浜ビーチ。

真っ白な砂浜と、明るいグラデーションの海。
夏は海水浴客で賑わうそうだけど、9月も中旬の平日となれば一人占めだ。

砂浜に打ち上げられたたくさんの貝殻。
星のような形のがカワイイ。
しかし、想像以上に暑い。昨日は肌寒かったのにな。
高浜ビーチからまた30分ほど、道の駅に到着。ここでお昼にすることに。


五島うどん。五島列島名産の椿油が練りこんであり、うどんとそうめんの間のような感じ?
他のメニューはカレーとかカツどんとかで五島っぽいものが他になかったので
五島うどんにしたけど、なぜかご飯がついてきた。うどんはおかず扱いなのか?
食べ終わったら、午後は教会めぐりをすることに。
五島列島は江戸末期から明治初期にかけて、弾圧をうけたキリシタンが多く移り住んできたそうだ。五島でも弾圧や迫害は行われ殉教者も多く出ている中で、信仰を守ってきた歴史がある。
五島列島には数多くの小さな教会があり、福江島にもいくつもの教会がある。
行事の行われるときは入らない等、教徒に配慮すればキリスト教徒でなくても
見学可能なところがほとんどだそうだ。
最初に行こうとしたのは打折教会。
地図を確認し、原付を走らせるがなかなか見つからない。
現在のメインの通りから外れて、カーブの多い旧道をいくとようやくちいさな案内板が。
教会は観光スポットではなく、あくまで地元の方の祈りの場だ。
目立つような案内板がないのも当たり前なのだ。
案内版に沿って急坂を下り、海沿いに出ると小さな民家の合間に十字架が見えた。
前まで行って見るとどうやら工事中のようだ。

中の大工さんと目が合ったので挨拶したら、「見学?シロアリにやられちゃって工事中なんだ」とのことだったので外側だけぐるりと一回り。
大工さんにお礼を言って、また国道へと戻る。
次に向かったのは水ノ浦教会。
急な階段を上った上にある白亜の教会。

青空に映える白が美しい。

中は撮影禁止なので写真は外だけ。
ステンドグラスは中に入ると光が通ってキラキラととても綺麗だった。
その次は少し島の内陸に入っていって楠原教会へ。

ここはレンガ造りのファサードだった。

ステンドグラスもさっきの水ノ浦教会とはだいぶ雰囲気が異なる。

そして屋根は瓦屋根。五島の教会は外国人神父の指導の下、日本人の大工の手で建てられたから、西洋建築と和風建築が混ざり合っている。
内側も梁が出ている奥にアーチがあったりして、建築好きにはたまらなく面白い。
暑いところをずーっと走るのも疲れるので、休憩を兼ねてスーパーへ。
旅先のスーパーはその土地ならではの食材が並んでいるので見るのがすごく楽しい。

とりあえず気になったのは「かんてん」と書かれているこれ。
かき氷のシロップのような赤色と緑色。

そして魚はやっぱり安い!比較するものがないので分かりづらいが
イサキとか真鯛とかすごい大きさ!


きびなご、一山150円!?活きサザエも売ってるし、サザエ動いてるし。
調味料とかも独特のものが多くて面白かった。
涼んで少し回復したので、次へ向かう。
一度港近くの繁華街まで戻ってから、島の北側へ。
お隣の久賀島が見えるくらいの端っこの方へ、日の傾き始めた海岸線をひたすら走る。

到着。堂崎教会。

中は資料館を兼ねているので、歴史的な展示がされていた。(ので入館料がかかる)
とはいえ、建築や祭壇の周りは、明治40年に建てられた時の雰囲気を残しているのだろう。
ステンドグラス越しに差し込む西日がつくったヒカリは、あまりに美しくて少し怖ささえ感じた。

世界遺産登録を目指す教会群の構成遺産からは外れてしまったけど、
弾圧が終わり、復活を目指した教徒たちの心のよりどころであったことに変りはないのだろう。

教会の隣には小さなカフェがあったので、バナナスムージーを買って海を見ながらのんびり。

丸々とした看板わんこが他のお客さんとじゃれているのを眺めてた。
レンタカーを返しに港へと走りながら、考えた。
信仰の自由って言うけれど、今も世界中で宗教を理由にした争いが絶えない。
私自身は典型的な日本人で神社に初詣に行き、クリスマスもお祝いするし、年末にはお寺の除夜の鐘を聞く。
何らかの信仰を持っている人にとっては、自信の信仰を否定されることは、自分の根幹を揺るがされることに等しいのかもしれない。
日本のキリスト教弾圧は、どちらかと言うと政治的な理由が大きかったように歴史の授業で習ったけれど、実際の弾圧の現場というのはまた違った意味合いを持っていたのではないか。

走る道すがらにまた十字架が見えた。原付を止めて近づいてみると、これも教会のようだ。
「浦頭カトリック教会」だいぶ新しいのだろうか、今まで見た教会とはまた違ったモダンな造りで
丸い窓が可愛らしい。
駐車場で小学校に上がる前くらいの女の子が二人、コンクリートにチョークでお絵かきをしている。中からは合唱の練習だろうか、歌声が聞こえてきた。
日常に根付いていることがよく感じられた瞬間だった。
日々の中に当たり前のようにあるものが、争いの種になってほしくない、そんなことを思いながらまた港へと向かった。
レンタカー屋に着くと、朝と同じくハイテンションのおばちゃんがニコニコしながら「お帰りー」と迎えてくれた。「ただいま」と返したところまではよかったがその後の一言にひっくり返りそうになった。
「お姉さん免許証わすれてったよー、まぁ何もなかったならよかよかー!!」
・・・・・よくないっ!!!
全く気付かなかったのだが、1日免許不携帯で走り回ってたのだ。
警察に捕まるようなことはしていないが、それでも検問とかなくってよかった。
全身で脱力しながら、本日の宿へと向かった。
