この季節の日没は早い。17時台でもすっかり暗くなった中、駅からは少し離れたお店がぽつぽつとあるエリアの方へ。
地酒が飲めるところでいくつか目星をつけていたのだが、1軒目は臨時休業、2軒目は予約で満席。
どうしようか・・通ってきた道すがら、よさげなお店があったのを思い出し向かってみる。
突然、雨脚が強くなったかと思ったら傘に当たる音がものすごく大きくなる。
空から白い粒が降ってきている!?雪というか雹だ。
予報以上の悪天候に慄きながら、お店へ到着。
ぱっと見満席のように見えるがダメもとで聞いてみることに。
「18時半から予約の方がいらっしゃるので、それまでなら良いですよ」
とのことで、1時間だけここで飲んでいくことに。
「酒彩 雁ぐらし」1階はカウンターのみ6席、2回がテーブルなのかな。
カウンターの1席にお邪魔する。

お酒は白岳仙。福井の地酒だ。
この片口とぐい飲み、モダンでかっこいいな。

お通しは茶碗蒸し。こんな寒い日だからとても沁みる。
そしてこの時期の福井に来た理由のひとつ。

越前蟹!!せいこ蟹のむき身です。タグ付きの蟹をいただくのは初めて。
甲羅の中には蟹味噌と内子(卵巣)を和えたもの、その上に蟹脚が1匹分8本ドドンと重なり合い。外子(卵)は別添えなので、ご飯を頼んで乗っけて食べるとかもできちゃう。
まぁ、呑兵衛はそのままつまみにする。
一口頬張ると、蟹の甘みとうまみがぶわっと広がる。
そこに冷酒をきゅっとね、もうたまらんですよ。

ずっと蟹だと昇天してしまいそうなので、箸休めにいただいたのはもずく。
こちらも地物だそう。太くて噛み応えがある。
もずくを食べ、冷酒を一口。落ち着いたところで再び蟹と冷酒で夢心地。
この至福ループを繰り返すこと数十分。
予約の方がいらっしゃる時間が近くなってきたタイミングでちょうど食べ終わったので、お会計をしてお店を出る。雹は止んでいて一安心。
さて、さすがに1杯では物足りない。
2軒目は蟹はなくてよいので、地酒が楽しめそうなところ、ということで探したのがこちら。

RICE BAR
コンクリート打ちっぱなしの高い天井、北欧デザインの椅子や照明。
杉玉が下がっていなければ日本酒が出てくるとは思えないような空間。

カウンターの端に座って、まずはお勧めの飲み比べをいただく。
右から「白龍 游」「一本義 シボリタテ」「福千歳 PURE RICE WINE」
辛口だけどうまみの強い白龍、すっきりフレッシュな一本義、酸味があり洋食にも合いそうな福千歳、全然タイプの違う3本で面白い!

食器や備品が無造作に置いてあるだけなのに絵になる。一つ一つのデザインに心を配って選び抜いたんだろうなということが伝わってくる。

そして圧巻がこのお通し!?
品数もさることながら、一品一品の手の込みようが静かな気迫を感じる。
これだけで飲んで帰る方も多いというのも納得。
これだけでお料理の種類×お酒3種のマリアージュが楽しめるわけで、楽しいことなんの。
お店の方と少しお話したりしながら、舌鼓が鳴りっぱなし。

お次は越前岬 シュタルクカイザー。
シュタルクカイザーとはドイツ語で「力強い皇帝」の意。
その名の通り、しっかりとした骨太なお酒。でもどこかに洗練も感じられてさすがは皇帝。

本日ラストは花垣 冬のしぼりたて。
フレッシュな中に本醸造ならではの落ち着きも感じられて、ちょうどよい着地。
凍てつく寒さの中だけど、お腹はぽっかぽかで足羽川沿いの道を戻ってホテルへ戻り、もう一回温泉へ。
そんな大満足の夜。
